MONTES FOLLY SYRAH 2019
プレミアムチリワインの先駆けであるワイナリー、モンテス。こちらのフォリーシラーは、他の生産者たちが「そんな畑でシラーを育てるなど馬鹿げている」と呆れるほどの、傾斜45度もある断崖絶壁のような畑で造られます。複雑で凝縮した味わいと奥行きのある長い余韻をお楽しみください。
外観は紫を帯びた深紅の色調。ブラックチェリーやブラックベリーなどの赤・黒系果実のアロマに、ブラックペッパーやドライハーブ、皮革、ナツメグ、シナモンなどの力強く複雑な香りが溢れ出します。口に含むと、タンニンは非常にシルキーで優しい印象。凝縮した果実味に、タバコやトースト、杉、ダークチョコレートなどの多層的な香りを纏った余韻が広がります。
フォリー=馬鹿げているという名称も印象的な1本。個人的になんとなくチリワインは相性が悪いという思い込みがあるのですが、それを覆す複雑でパワフルな味わいでした。
KAIKEN ULTRA PINOT NOIR 2021
カイケンは、チリにおけるモンテス社の知識と経験、アルゼンチンの恵まれた土壌が見
事に融合した、ハイコスパ・デイリーワインの代名詞。こちらのウルトラシリーズは、フレンチオーク熟成で仕立てたリッチなボディの上級シリーズです。濃密な果実味とスパイスのニュアンスが見事に調和した味わいがお愉しみいただけます。
色調は輝きのあるルビー色。ストロベリーやレッドチェリーの豊かなアロマに、リコリスやバニラのニュアンスが重なります。しなやかな酸味と芳醇な果実の風味が広がる濃密な味わい。タンニンは豊富ながらきめ細かく、滑らかなテクスチャーを形成しています。余韻には樽由来の上品なスパイスの風味が残る、香り高いアロマと果実の濃密さが魅力の1本です。
鮮やかなルビー色の見た目に反してパワフルな味わいであり、そのギャップが印象的な1本でした。
LA MOTTE PIERNEEF SAUVIGNON BLANC 2022
17世紀より歴史を持つ、南アフリカの名門ワイナリー。こちらはフランスの銘酒サンセールを意識して造られたピアニーフ・ソーヴィニヨン・ブランです。南アフリカの中でも特に注目されている冷涼産地エルギンで造られ、美しい酸が味わいを引き締めており、非常にエレガントなスタイルに仕上がっています。
外観は緑がかったイエローの色合い。爽やかな柑橘類のピュアなアロマに、トケイソウやホオズキを思わせるニュアンスを含んだ爽やかな香りが印象的です。美しい酸が味わいを引き締め、全体としてエレガントなスタイル。酸とミネラル感が余韻まで続き、ハチミツやスパイスのニュアンスが後味に感じられます。大変上品な味わいが魅力の1本です。
HARAS DE PIRQUE GALANTAS CABERNET FRANC 2018
チリ・アンデス山脈のふもとで、イタリアの名門アンティノリが手掛けるワイナリー。こちらは、海抜700mにあるマイポ・アンデス渓谷の、冷涼なテロワールを見事に表現した上級キュヴェ。自社畑の有機栽培のブドウを使用しており、オーガニック認証であるユーロリーフを取得しています。濃厚かつ華やかな香りと、ジューシーでしなやかな味わいが特徴的。牛肉料理全般と好相性の1本です。
紫がかったルビーレッドの色調。グラス注ぐと、ブルーベリー、ブラックベリーなどの黒系果実の香り高いアロマに加えてコショウのスパイシーなニュアンスが漂います。口に含むと、質の良いタンニンを備えたジューシーかつしなやかな肉付きの良い味わい。円みのある上質な酸と、フレッシュな赤系果実のフレーバーが濃厚な味わいに爽やかさを与え、長い余韻へと導きます。丘陵地帯に位置する冷涼なマイポ・ヴァレーのテロワールを見事に表現した、エレガンスとフィネスを感じる仕上がりです。
MARIMAR ESTATE LA MASIA CHARDONNAY DON MIGUEL VINEYARD 2020
スペインワイン界きっての名門がカリフォルニアで仕立てる新たな造り手。ラ・マシーアは単一畑のブドウのみを使用して造られるプレミアム・シリーズです。こちらのシャルドネは畑から醸造、熟成に至るまで、どれをとっても非常に手間を掛けて行われており、余韻まで長く続く上質な味わいがお愉しみいただけます。
熟したリンゴや洋梨などの甘やかな果実のアロマに、ハチミツやトースト、バターなどの香ばしいニュアンスと清涼感を感じさせるセージの風味が見事に調和した複雑な香りが広がります。口に含むと感じられる、クリーミーな口当たりに、樽のフレーバーが特徴の芳醇な果実味が印象的。爽やかで上質な酸と、仄かな清涼感が凝縮感のある味わいに上品さをプラスさせ、心地よい余韻へと導きます。
MER SOLEIL SILVER UNOAKED CHARDONNAY 2020
メール・ソレイユはワグナー・ファミリー・オブ・ワインのオーナー、チャック氏がシャルドネの新天地を求めて、サンタ・ルシア・ハイランズに設立したワイナリー。こちらは、ステンレスタンクとコンクリートタンクを併用して造られる白ワイン。溢れ出すフレッシュさと、それを際立たせる深みも備えた味わいです。
外観は淡いゴールドの色調。キウイやネクタリン、シトラスの皮などのフレッシュなアロマが漂います。口当たりは柔らかく、ボリューミ―な印象。活き活きとしたフレッシュな果実味が魅力で、それを際立たせる豊富なミネラル感や複雑味も兼ね備えています。フィニッシュには、レモンやライムなどの柑橘系果実の風味が長く残るのが特徴です。
無難においしいシャルドネに出会えるアメリカ産ワインですが、時折苦手な樽感を感じるものがあるなと感じていました。こちらはオーク樽を全く使わないことを特徴としており、フレッシュさを直接的に感じることが出来ました。ボトルの見た目も含め、気温が高くなってきた日々に似合う爽快な1本でした。
Chateau Cantenac Brown 2009
ひらまつのワインセットの内の1本です。
メドック格付け第3級。ボルドーの中でも人気の高いマルゴー村の格付けワインです。世紀のグレート・ヴィンテージとも言われる2009年。果実味・酸味・タンニン・フィネス全てが一体となり全てのバランスが完璧に仕上がりました。ブラックベリー、カシス、キノコ、トリュフの香り。口当たりは優しく、豊富な果実味としっかりとした力強いタンニン。余韻も長く、マルゴー村らしい女性的でエレガントなワイン。近年の中でもこの2009年は別格な仕上がりとなりました。
某ワイン図鑑をみると、シャトー・カントナック・ブラウンはメドックでも建物の醜さを争うが、マルゴーでもトップクラスの堅固なワインを造るとあり、その評価に苦笑いするとともに安心しました。確かにバランスの良さを感じるボルドーの王道的1本のようでした。
